ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

2020-01-01から1年間の記事一覧

Report No.155 Baureihe 01

ドイツの蒸気機関車を語るうえで外せないのが01形だろう。赤く塗られた直径2000mmという大型の動輪と威圧感のある大型のボイラー、英国の蒸気機関車のような芸術品のような美しさと対照的な工業製品としての工芸品のような美しさがこの機関車が長きにわたり…

Report No.154 バイエルンの夏

欧州の夏は短い。日本のように9月を過ぎても暑いというようなことはあまりなく、9月も半ばになれば朝夕は長袖にジャンパーが必要になる。それでも、まだ9月は日中になればぽかぽかと温かく、野山の緑は夏最後の瑞々しい輝きを見せる。 2019年9月の訪欧では、…

Report No.153 弾丸機関車

日本が新幹線を開業させたころ、ヨーロッパではまだまだ機関車牽引の旅客列車が全盛であった。ドイツでは積極的な線路改良や車両開発を行い、200km/hでの特急列車運転を計画した。その中で生まれたのが103型電気機関車である。流線形の流麗なフォルムとクリ…

Report No.152 漢江

1974年、韓国・ソウルで初めての地下鉄、1号線が開業した。1号線は、日本からのODA(政府開発援助)および技術支援により開業した路線である。1号線の開業に合わせては、日本から186両の電車が輸出された。これが、韓国鉄道庁1000系およびソウル地下鉄公社1000…

Report No.151 パノラマ急行

言わずと知れた峠路線の聖地、スイス国鉄Gotthard線は、3000~4000m級の山々が連なるアルプス山脈の谷間を縫うように走り、スイス/Zürich方面からイタリア/Milano方面へ抜ける路線である。2016年にGotthard Base Tunnel(ゴッタルド基底トンネル)が開通したこ…

Report No.150 五山送り火

8月の京都で一大イベントといえば、五山送り火である。五山送り火の中で最も標高が高い位置にあるのが、如意ケ嶽にともされる大文字(右大文字)だ。それゆえ、京都市内の広い範囲で見ることができる。更にいえば、京都の市街地中心部が碁盤の目になっている…

Report No.149 第一只見

日本の豪雪地帯はどこか?と聞かれたら、「それは勿論北海道だろう」と答える人も少なからずいることだろう。だが実際には、年間平均降雪量・最深積雪量ともに上位にくるのは北海道以外の地域のほうが多いのだ。どちらかといえば、北海道よりも長野や新潟、…

Report No.148 キハ52

千葉のいすみ鉄道にJR西日本からキハ52-125が譲渡されて早10年になる。譲渡後すぐに赤/クリームツートンの一般色に塗り替わったが、2014年に首都圏色へと塗り替わり、昨年2019年までながらく首都圏色で活躍していた。それが昨年、再び一般色に戻される運びと…

Report No.147 原色三昧

普通の人にとっては、原色といえば赤、青、緑のような光の三原色などをイメージするだろう。だが、鉄道ファンにとって「原色」というワードは少しばかり特別な意味を持つ。鉄道ファンにとって原色とは、ある車両が登場したその時の塗装を意味する。 鉄道車両…

Report No.146 赤い星の巨人

蒸気機関車の世界最速記録といえば、流麗な流線型のボディが美しいイギリスLNERのA4形マラード号が保持する202.8km/hである。この記録は第二次世界大戦直前の1938年7月3日に達成された記録だ。この約2年前の1936年5月11日にはドイツ国鉄05形002号機が200.4km…

Report No.145 海の谷

最後の国鉄特急色485系A1+A2編成が現役から消えて既に3年以上がたつというと、字面そのものでは、そう遠くない昔のように思えるのが不思議だ。A1+A2編成が引退する前年は新潟のT18編成の引退があった。T18編成といえば最後に残ったカニ目ヘッドライトの1500…

Report No.144 ゴーグル

“ゴーグル”の愛称で親しまれている機関車が中欧いる。こういうと前面窓のまわりが眼鏡のフレームのように塗られているような車両を想像する人も多いかもしれない。だが、この“ゴーグル”機関車は塗装ではなく、前面窓自体が車体から少し前に張り出した形にな…