ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.148 キハ52

 千葉のいすみ鉄道JR西日本からキハ52-125が譲渡されて早10年になる。譲渡後すぐに赤/クリームツートンの一般色に塗り替わったが、2014年に首都圏色へと塗り替わり、昨年2019年までながらく首都圏色で活躍していた。それが昨年、再び一般色に戻される運びとなった。いすみ鉄道キハ52とともにキハ28が”急行列車”として運行されているのは以前から知っていたし、撮影にも行きたかった。だが、いかんせん重い腰をなかなか上げることができず、その上首都圏色に塗り替わっていたことも手伝って、これまでついぞ訪問できずにいた。

 そんなとこへ友人から「一般色に塗り替わって出てくるから、運行再開初日に撮影に行かないか。」と誘いが来た。この機会を逃しては、当分自分から行くことはないだろうと思い、誘いに乗ることにした。実はこのいすみ鉄道で走っているキハ52-125はかつて一度修学旅行で行った富山で見かけたことのある車両であり、実に十数年ぶりの再会となった。

 梅雨真っ只中の6月17日、はるばる出かけた千葉県は梅雨のつの字もないスカッ晴れ。夏光線ではあったが絶好の撮影日和であった。各所で撮影したのち、最後のシメに向かったのは西大原~上総東の俯瞰。蒸し暑い夏の日差しの中、マダニやヒルに警戒すべくパーカーを羽織って登ったため、撮影地点についたころには自分でもびっくりするほど汗だくになっていた。そして頂上についていざセッティングを始めるとカメラのバッテリーをロケ車に充電したまま忘れてきたことに気付いた。今から俯瞰を降りて取りに戻ってまた登るだけの時間はない。万事休すである。

 だが、ここで幸運があった。なんと一緒に登ってきたギャラリーの方が自分と同じカメラの使用者でその上予備バッテリーを持っているので貸してくださるとのこと。いやはや感謝してもしきれない恩をかけてもらった。

いすみ鉄道 西大原~上総東 キハ52-125+キハ28-2346

 そうこうしているうちにキハ52を先頭にした急行列車がてろてろと眼下の線路を走ってきた。山間にこだまするジョイント音とエンジン音が心地よい。バッテリーを貸していただけたことに感謝しながらレリーズボタンを押した。