ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

私鉄

Report No.166 秘境列車

登山鉄道というと、箱根登山鉄道やはたまたスイスのユングフラウ鉄道を思い浮かべる方も多いだろう。実は、登山鉄道という名前に明確な定義は存在していないのだが、おおむね、特殊な装備や構造をもって通常の鉄道車両では克服困難な路線を運行している路線…

Report No.150 五山送り火

8月の京都で一大イベントといえば、五山送り火である。五山送り火の中で最も標高が高い位置にあるのが、如意ケ嶽にともされる大文字(右大文字)だ。それゆえ、京都市内の広い範囲で見ることができる。更にいえば、京都の市街地中心部が碁盤の目になっている…

Report No.148 キハ52

千葉のいすみ鉄道にJR西日本からキハ52-125が譲渡されて早10年になる。譲渡後すぐに赤/クリームツートンの一般色に塗り替わったが、2014年に首都圏色へと塗り替わり、昨年2019年までながらく首都圏色で活躍していた。それが昨年、再び一般色に戻される運びと…

Report No.147 原色三昧

普通の人にとっては、原色といえば赤、青、緑のような光の三原色などをイメージするだろう。だが、鉄道ファンにとって「原色」というワードは少しばかり特別な意味を持つ。鉄道ファンにとって原色とは、ある車両が登場したその時の塗装を意味する。 鉄道車両…

Report No.127 檸檬

西武鉄道といえば、黄色い車体の電車を思い浮かべる方も多いかと思う。だが最近ではステンレス車両やアルミ車両の導入が進んだことで黄色い車体の車両は少しずつ数を減らしてきている。特に湘南顔の黄色い車両となると、西武線ではかなり数を減らしている。…

Report No.122 寒暁

東北地方というと、冬は常に雪と氷に閉ざされているようなイメージを持っている方も多いと思うが実際にはそうとも限らない。太平洋側の沿岸地域は、内陸の山間部や日本海側に比べ暖かいため、雪は降るがあまり積雪は長く残るようなことは少ないというのが実…

Report No.112 帰郷

大陸鉄道の醍醐味の一つといえば、やはり島国たる日本ではお目にかかれない国際列車だろう。もちろん定期の国際列車もあれば臨時、団体の国際列車もある。各国、電化方式や信号方式など様々な違いこそあれど、陸続きでかつ線路幅が同じというだけで様々な国…

Report No.99 40周年

衣浦臨海鉄道碧南線は今年2017年5月25日に開業40周年を迎えた。多くの鉄道会社ではそういった記念事があると臨時列車や車両基地公開などのイベントが行われることが多い。衣浦臨海鉄道も例外ではなく、イベントが行われるのだが臨海鉄道という性質上、貨物列…

Report No.70 It's a small world

新幹線や一部私鉄の1435mm、京王線・都営新宿線の1372mmを除けば日本の鉄道の大部分は軌間1067mm、いわゆる狭軌と呼ばれる軌間で敷設されている。しかし、このほかにさらに狭い軌間で敷設されている鉄道も存在する。狭軌よりも狭い軌間、特殊狭軌と呼ばれる7…

Report No.61 Remember me

かつて京阪三条から三条通を通り山を越えて山科まで京阪が走っていた、と言っても若い人なら信じることはできないだろう。京都市営地下鉄東西線が開通するほんの19年前まで、京阪京津線は浜大津から三条京阪まで併用軌道と専用軌道で結ばれていた。このころ…

Report No.60 花道<後篇>

衣浦臨海鉄道は碧南線と半田線を運営している第3セクター鉄道である。碧南線はフライアッシュ・炭酸カルシウム輸送を行っており、半田線は衣浦港周辺に点在する工場などへの工業材料、製品の輸送を主体とするコンテナ列車が運行されている。かつては専用貨物…

Report No.59 花道<前篇>

DE10を基本とするDE11やDE15といった派生形式および各地の地方鉄道向けの支線用機関車は全て用途などが少しずつ違うのみでDD51と同じDML61系列エンジンなどの基本構成は同じである。更にいえばDE10系列は、DD51をもとに設計されている為、設計上DD51とDE10系…

Report No.58 村雨の日に

大地を揺らし、黒煙と蒸気を吐き走る蒸気機関車の姿はいつの時代も人々を魅了してやまない。そして近年では、その魅力を利用して地域活性化などにつなげようという動きもみられる。ひとたび蒸気機関車が走るとなれば鉄道ファンのみならず多くの観光客を呼び…

Report No.36 昭和の残り香

かつての日本、特に高度成長期ごろまでは今ほど道路網は整備されておらず、物資の輸送といえば鉄道貨物が主力であった。この頃は、国鉄だけでなく、私鉄でさえも貨物輸送を行っており、国鉄から私鉄へ、私鉄から国鉄へ貨物のリレーが日常的であった。 郊外や…

Report No.4 衣浦臨海鉄道

衣浦臨海鉄道は、愛知県は碧南線と半田線の2路線を持つ臨海鉄道である。一度は廃止も騒がれたが、中部電力碧南火力発電所の設立によって発電所から出る石炭灰をセメントの原料として輸送するため、また発電所の排煙の脱硫のために用いられる炭酸カルシウムを…