ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

2019-01-01から1年間の記事一覧

Report No.143 ドナウの真珠

オリエント急行といえば、『オリエント急行の殺人』や『007 ロシアより愛をこめて』で登場した、フランス・カレーとトルコ・イスタンブルを結ぶ便が一番有名ではないだろうか。オリエント急行はいくつもの列車の総称であり、「オリエント急行」、「バルト・…

Report No.142 群青と深緑と

山陰本線迂回貨物からすでに1年以上が経つ。日本の東西の大動脈の一翼たる山陽本線が100日にもわたって不通であったのは、阪神淡路大震災の被災による不通期間74日を上回るものだ。そしてこの日数こそが、いかに深刻な被害を、かの豪雨が鉄道にもたらしたか…

Report No.141 古城の街

ドイツ東部、ドレスデンの南にKönigstein(ケーニヒシュタイン)という町がある。ドイツ語のKönigは王、Steinは石を意味し、直訳すれば王の石といったところの名前になる。ケーニヒシュタインはエルベ川に面した街であり、エルベ川が長年にわたって大地を削り…

Report No.140 ボヘミアンPCCカー

ボヘミアとは現在のチェコ共和国の西半分、ひいてはポーランド南部からチェコ北部にかけての地域を指すラテン語のいにしえの地名である。このボヘミアの地、チェコ共和国はプラハには、かつてタトラ国営会社スミーホフ工場というものが存在した。ここでは主…

Report No.139 ラミナーツカ

平成から令和に元号が変わった今年、天皇陛下の即位に際して所謂”ゴールデンウィーク”が今までで最長の10連休となった。10連休ともなればこの長期休暇を利用して国外に飛びたいと思うのが海外鉄の端くれとしての性。だが長期休暇ということで日本発の航空券…

Report No.138 重連

近年のダイヤ改正で愛知機関区所属DD51の運用の多くがDF200に置き換えが進み、DD51が重連で荷を引く姿は珍しいものになりつつある。車齢を考えれば当然のことであるのだが、重連で荷を引く勇ましい姿が近い将来記録の中の存在になってしまうのは少し寂しいも…

Report No.137 遠戚

国鉄DD54ディーゼル機関車といえば、かつて欠陥機関車とあだ名され、法定耐用年数の18年を満たさずして引退した曰く付き機関車である。DD54は当時西ドイツで既に実用化されていたV160形ディーゼル機関車の設計を元に開発されたものだった。だが、実際に運用…

Report No.136 箱庭

夏によく聞かれる定番の質問といえば「行くべきは海か山か」ではないだろうか。海にも山にもそれぞれの魅力がありなかなか決めることのできない難問だ。鉄道写真でも海を背景にするか山を背景にするか、というのは定番の議題だろう。昨年の山陰本線迂回貨物…

Report No.135 歴史街道

第一次世界大戦が終結しオーストリア=ハンガリー二重帝国が解体されるまでスロベニアはオーストリア領であった。オーストリア=ハンガリー帝国がスロベニアを支配する中、1869年、スエズ運河が開通し地中海沿岸の港の地位は大きく向上した。当時帝国は現在の…

Report No.134 渓谷の朝

山口線の山口線たる名所といえばどこだろうか。そんなことを山陰迂回貨物の運転が始まる直前あたりから考え始めた。津和野以南のベタなところで言えば、津和野の太鼓谷稲成や長門峡の鉄橋あたりだろうか。だが今回の迂回貨物の運転ダイヤを見ていると上りに…