ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

2018-01-01から1年間の記事一覧

Report No.133 カルストの崖

地理の授業を受けたことがる方でなくとも「カルスト地形」という名称を一度は聞いたことがある方は多いかと思う。カルスト地形の「カルスト」という名の由来はスロベニア西南部およびイタリア北東部のクラス地方が語源である。というよりも、そもそもこのカ…

Report No.132 ブリジット

友達や知り合いを「あだ名」で呼んだことがある人は多いかと思う。船や飛行機、鉄道車両もまた愛着やはたまた侮蔑をこめて愛称やあだ名がつけられることがしばしばある。国内で有名な例で言えば、キハ81がブルドッグ、419系が食パンと呼ばれていたことなどが…

Report No.131 断崖絶壁の生命線

バルカン半島の付け根の西側、イタリアの隣にスロベニアという国がある。似た国名にスロバキアがあるがそれとはまた別の国である。総人口約200万人、面積20273㎞という小国だが、北はオーストリア、東はハンガリー、南はクロアチア、西はイタリアに囲まれ、…

Report No.130 名舞台

広島地区の山陽本線長期普通に伴って運転された迂回貨物は、山陽本線の倉敷から伯備線に入り、米子から益田まで山陰本線を走行し、益田からは山口線を経由し新山口から再び山陽本線へ戻るというルートで運転された。このルートの一部はかつて所謂岡見貨物で…

Report No.129 リベンジ

一度外を見てしまえばまた行きたくなるというもの。今年も夏季休暇を利用して欧州遠征を組むことにした。今回はスロベニア、ドイツをメインに遠征することにし、スイスはチューリッヒを中心に動く計画にし、以前から興味があると言っていた友人たち3人を誘っ…

Report No.128 夢物語

平成最後の年となった今年7月、西日本は停滞した梅雨前線によって記録的豪雨に見舞われた。河川の氾濫や土砂崩れなどが西日本各地で相次ぎ、多数の死傷者をもだすことになった。特に岡山・広島地域の被害は深刻で、日本の大動脈たる山陽本線で土砂崩れや盛土…

Report No.127 檸檬

西武鉄道といえば、黄色い車体の電車を思い浮かべる方も多いかと思う。だが最近ではステンレス車両やアルミ車両の導入が進んだことで黄色い車体の車両は少しずつ数を減らしてきている。特に湘南顔の黄色い車両となると、西武線ではかなり数を減らしている。…

Report No.126 悲願の末路

2018年3月31日、JR西日本三江線はその88年の歴史に幕を閉じた。島根県江津から広島県の三次までを結ぶ全長108.1kmのローカル線であり、本州では初の100km超えの路線の全線廃止となった。江の川沿いに山陰方面と山陽方面を結ぶ陰陽連絡船として計画され、部分…

Report No.125 予兆

毎年3月のJRグループ一斉ダイヤ改正は大きな変化が起きる。廃止される列車もあれば新設される列車もある。ここ10年で言えば、定期寝台列車などの廃止が相次いだわけだが、それらの中には「事実上の廃止」という道をたどったものも多くある。どういうことかと…

Report No.124 弾丸機関車

日本で新幹線が産声を上げた翌年、当時の西ドイツで最高速度時速200キロでの運転を目指して試作新型電気機関車E03型が開発された。E03型は4両が製造され、1965年から5年間営業運転を含む実地試験を行った。そしてその実績を踏まえて投入されたのが量産車であ…

Report No.123 押し屋

山口線では例年、年末年始に休暇の観光需要を見込んで蒸気機関車牽引列車の運転が設定される。年末のものはいつも通りSL「やまぐち号」として運転されるが、年始のものは初詣にちなんでSL「津和野稲成」号として名前を変えて運行される。ヘッドマークもこの…

Report No.122 寒暁

東北地方というと、冬は常に雪と氷に閉ざされているようなイメージを持っている方も多いと思うが実際にはそうとも限らない。太平洋側の沿岸地域は、内陸の山間部や日本海側に比べ暖かいため、雪は降るがあまり積雪は長く残るようなことは少ないというのが実…

Report No.121 アジアンTGV

1964年日本で新幹線が誕生し、早くも54年。その後新幹線の後を追って世界各国で高速鉄道がつくられることとなった。有名どころで言えばドイツのICE、フランスのTGV、イタリアのペンドリーノなどがあり、これらは世界中様々な国へ輸出され運用されている。中…

Report No.120 落城近し

昨年3月のJR貨物ダイヤ改正では、ついに愛知機関区のDD51の運用の一部がDF200の運用に変更され正式にDD51の淘汰が始まるものと思われた。しかしいざダイヤ改正を迎えてみると、DF200に置き換えられたはずの運用はダイヤ改正前と変わらずDD51が運用にあたり、…

Report No.119 風雲児

貨物列車は一度に大量の物資を輸送できるが、その反面、速度は遅くなりがちだ。戦後、日本全国で高速道路などの高規格道路が整備されはじめ、長距離物流の主要手段がトラック輸送へと移行し始めた。この頃の国鉄の貨物輸送の主流は所謂車扱貨物と呼ばれるも…

Report No.118 ゴッタルド峠

アルプスの山々に囲まれたスイスには数多くの峠が存在するが、その中でも有名なのが南部のイタリア方面へ抜ける途中にあるゴッタルド峠だ。かつてはこの峠を越えようとして遭難するものも多く、13世紀ごろまでは道も険しく主要路としては機能していなかった…

Report No.117 懐かしのシュプール

かつてはブルートレインなどの優等列車から普通列車まで、客車列車は幅広く運転されていたが、今や一部のイベント用などの波動用輸送や観光列車を除いてめっきりその数を減らしてしまった。特に2000年代以降、低価格な高速バスの台頭や新幹線サービスの向上…

Report No.116 異端児

かつては雪国の鉄路の象徴とも言えた除雪車だが、近年では国鉄時代に製造されたものの老朽化廃車や除雪モーターカーの置換導入、降雪量の減少による用途廃止によって徐々にその数を減らしている。だが中には除雪車としての使用を終えたのち、その他の用途に…

Report No.115 四国色

JR化後、各地でそれぞれの地域にちなんだ色を使用した所謂”地域塗装”や”地域色”と呼ばれる塗装が車両に施されるようになった。単調な色と塗分けが多かった国鉄色に対して、地域色ではさまざまな色で斬新な塗分けを採用することでブランド化を図るだけでなく…