ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.138 重連

近年のダイヤ改正で愛知機関区所属DD51の運用の多くがDF200に置き換えが進み、DD51重連で荷を引く姿は珍しいものになりつつある。車齢を考えれば当然のことであるのだが、重連で荷を引く勇ましい姿が近い将来記録の中の存在になってしまうのは少し寂しいものである。

 DD51重連で荷を引く運用の一つに紀勢本線のロングレール輸送がある。ただ、自分にとっては往々にして運転ダイヤや運転時期の組み合わせが悪くなかなか紀勢本線内で記録できずにいた。更にいえば紀勢本線内で撮影できる時間帯のものとなると多くの場合、白浜以北の複線区間の場合が多くどうにも重い腰を上げられずにいたのだった。

そんな折、昨年の12月に入って友人から「新宮朝着でロングレール輸送の運転があるらしい」との知らせがきた。新宮に早朝に到着するダイヤでの運転はめったにないため、これは天候に期待できるならば行かなければならないという話になった。

運転は14日金曜日夜から15日土曜日朝にかけてということであったので、14日の夜に会社上がりの友人に車で拾ってもらい、東生駒駅で他の友人と合流し一路南紀へと向かった。天候予報は快晴。せっかくの白浜以南での運転とあって古座川の単線ガーター橋で撮るのがいいのではないだろうか、という話になった。

 夜明け前に古座駅周辺に到着し、撮影地に行ってみると思いのほか先客は少なく、場所取りが3つほどある程度であった。これはラッキー、と早々に場所取りをして朝を待つことにした。 朝日が昇りはじめたころ、ギャラリーが集まる前にいそいそと準備をはじめDD51を待ち受ける。気温は12月とあって低め、空は快晴。サプライズでやってきたキヤ141や287系くろしお、105系普通列車を眺めつつ待っていると続々とギャラリーも集まってきた。どうやら聞く話によれば古座ヴィラの俯瞰は満員御礼なようだった。

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 完璧に整えられた舞台に、朝日を浴びてDD51重連牽引のロングレール輸送列車がやってきた。少しエンジンをふかしつつ鉄橋を轟音と共に駆け抜けていく。冬の朝、早起きは三文の徳といったところだろうか、最高の一枚を撮ることができた。