ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.23 消えた流星

2016年3月26日ダイヤ改正は、北海道を新時代へといざなうものであった。1961年に建設開始し少なくない犠牲の上で開通を迎えた青函トンネルが本来の姿である悲願の「新幹線トンネル」としての営業運転を始めた。

しかし、それは鉄道史の転換点でもあった。利便性、速達性の名のもと、新幹線に未来のバトンを託すように本州と北海道を結んできた”青い流星”たちは消えた。幾多の鉄道少年たちの胸を躍らせたブルートレインの系譜はついに絶たれたのだ。

かねてより老朽化が噂されており、北海道新幹線の開業で廃止が予想されていた北斗星を狙うため2014年9月、友人と共に渡道した。

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9月の北海道とあって、本州と違って少し肌寒く感じたもののまだまだ夏が色濃く残っていた。早朝、豊浦俯瞰でカシオペアを狙ったのち、緑残る初秋の山バックに駆ける北斗星を狙おうと大岸に陣を構えることにした。通過時間までぎりぎりの時に到着したため急いでセッティングした。まもなくして、カーブの奥に銀縁のヘッドマークを光らせた青い流星が見えた。老朽化しているとは思えない快走っぷりで老兵たちは終点札幌へと足早に駆けていった。