ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.26 日本海縦貫線号

1964年の東海道新幹線開業を皮切りに、主要幹線網の新幹線化が始まった。今や、新幹線のみで東京から函館、新潟、金沢、鹿児島中央へ行ける時代となった。しかしその裏では、速達性と利便性を引き換えに歴史の中へ消えていったものたちもあった。

2015年3月14日ダイヤ改正では、北陸新幹線が延伸し、長野~金沢間が開業した。同時に新幹線並行在来線となる信越本線北陸本線の大部分が第3セクター方式鉄道としてJRから分離された。これはつまり、日本海縦貫線系統が旅客営業上分断されることを意味した。

第3セクター化を半年後に控えた10月、分断されることになる縦貫線系統を偲んでかつての寝台特急日本海の運行経路をなぞるようにEF81+24系客車を利用した”日本海縦貫線号”が運転されることになった。

大阪への到着は午前遅くであったので、近江中庄付近ならば順光で収めることができると考え眠い目をこすりつつ始発列車へ乗ったのだった。近江中庄についてみればあたりは雲一つない快晴、すでに何十人というファンが砲列を構えていた。友人と空きのある場所へ入れてもらい秋晴れの下、通過を待った。

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10時15分過ぎ、マキノ方面に朱色と青の車体が見えた。近づいてくる音を聞きながらファインダーの中に入ってくるのを今か今かと待ち構えた。もうすぐ役目を終える老兵たちは心地よいジョイント音を立ててファインダーの中を過ぎ去っていった。