ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.48 遠回りするレール

 ロングレール輸送には主にチキ5500形貨車が使用される。チキ5500はレール緊締車、中間車、レール取り卸し用のスロープを備えるエプロン車と呼ばれる2種類があり、5~12両程度の編成単位で運用される。JR西日本に所属するものは、エプロン装置付きの5500番台は編成の片端のみに連結されていることから、レールを取り卸すために必ずこの5500番台を進行方向に対して最後尾にする必要がある。

 ロングレールは吹田総合車両所京都支所に併設された向日町レールセンターから搬出されるわけだが、大阪環状線外回り方面へレールを運ぼうとする時、配線上の都合から向日町から東海道本線を上り、奈良線関西本線経由で送り込むと帰りは西九条から梅田貨物線を経由させて東海道へと戻れば、遠回りではあるが、機回しすることなく、エプロン車を最後尾にしたまま一回りで向日町へ帰ってくることができる。

 去る7/30夜、奈良線方面へDD51牽引のロンチキ編成が走ったとの情報と、環状線外回りで取り卸しが行われているらしいという情報を得て、早朝、返却されてくるのを狙うため友人と島本~山崎のカーブへと向かった。撮影地についてみると、あいにくと朝日の昇る方向には薄雲がかかっており快晴とまではいかない様子だった。早朝の貨物が2本ほど通過した後、はるか向こうに見える島本駅の影から2灯のDD51のヘッドライトが輝くのが見えた。普通電車はまだ来ていない。大丈夫そうだ。

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 薄雲で全開露出とはいかないものの夏にしては柔らかい朝日を浴びてDD51が窓に朝日を反射させてやってきた。唸るエギゾースト音、カーブをしなやかになぞるロンチキ編成、ブレックファーストとしては十分すぎるものだった。