ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.30 雪国の名残

先日、とある新聞記事で運用消滅のためJR北海道所属のDD51が廃車確定と報道された。国鉄無煙化推進の立役者ともなったDD51はいよいよ終焉を迎えようとしている。

さて、そんなDD51だが、製造時期や配置場所によって形態が異なる。一時は北は旭川から南は熊本まで配置されていたため、気候に合わせて一般型、A寒地型、B寒地型が存在する。このうち、A寒地型は、北海道および東北地方などの豪雪寒地地方向けのため、耐雪ブレーキ、旋回窓、ツララ切りおよび窓プロテクターなどなどの寒冷地装備がされたものである。寒冷地ではワイパーの除雪能力に限界があるのと、凍結によって使えなくなる可能性がある。このため、旋回窓と呼ばれる円形の小窓を常に回転させることで遠心力を用いて着雪を防止するのだ。

この旋回窓装備の車両は今回のJR北海道所属機の引退によってJR貨物に所属する2両のみとなる。この2両、JR貨物愛知機関区に所属するDD51-1146およびDD51-1156はもともと北海道は旧・鷲別機関区の所属であった。道内の運用消滅に伴って愛知へ転属、スノープラウの撤去およびATS保護板への交換を行いこの春から運用を開始した。

この2両、いまだ順光では撮影したことがなかったのだが、5/14に75レを撮影しようと関西本線 朝日~富田へ出向いた際運よく1156号機を撮影することができた。この日は、 前日までの運用状況から、75レには原色の1805号機が入るのではないかと読んで出向いた。

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しかし、あいにくの運用差し替え。「原色撮りたかったよなぁ」とは撮影地でお会いした同業者の方の弁。まったくである。しかし、よくよく考えてみれば元鷲別罐の旋回窓付。差し替えられてむしろ幸運だったのかもしれない。斜陽のあたたかな光の中、ゆっくりと鉄路を踏みしめながら雪国からの使者DD51-1156が旋回窓を光らせやってきた。