ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.2 北のDD51を追って

2016年、北海道新幹線開業に合わせ、保守時間帯確保などの理由からついに寝台特急カシオペアおよび急行はまなすが消えることになり、最後に青いDD51を撮りたいと思い突発で遠征することにした。

と、発案したはいいものの、はまなすダイヤ改正までいつでも撮れるがカシオペアは1編成しかないため運行日が限られる。かつ、2月末~3月の道南といえば天候は不安定であることのほうが多い。渡道したところで、晴れるかどうかわからず、正直なところ運がすべてといってもいいだろう。しかし、もはや残された運転日はわずかであり、雪もそろそろなくなるころであったので、晴れるかどうかは文字通り天に任せ、3/1、旅立つこととした。

 

日程はこうだ。まず初日、新千歳へ飛び、そこから長万部へ行く。翌日夜に上下はまなすをバルブ。朝入線してくる山線ラッセルの回送を撮り、礼文~大岸へ向かいカシオペアを迎え撃ったのち、続行の列車で撤収し新千歳へ戻り帰りの飛行機に乗る。強行軍ではあるが運転日に間の空くカシオペアのために3日も4日も滞在していては滞在費用も掛かってしまうため仕方ない。

DD51 はまなす 長万部

▲急行はまなす札幌行 201レ 室蘭本線 長万部~静狩

3月とは言えまだまだ寒い深夜の長万部駅DD51に牽かれてはまなすが入線してきた。長万部では通常、前照灯はハイビームのままであるのだが、この日はロービームにおとしていただけた。感謝である。

 

DD51 カシオペア 礼文 大岸 室蘭本線

寝台特急カシオペア札幌行 8009レ 室蘭本線 礼文~大岸

翌朝はラッセルの回送を撮影したのち、始発列車のキハ40に乗って大岸へ。ついた時点では少し曇っている程度だったのだが、みるみるうちに天候が悪化。到着1時間後には完全にブリザード状態となり接近する列車も満足に見えない状況にすらなった。海の向こうに見えていた駒ヶ岳雪風の中に姿を消し、カシオペアまでこのままかと思われた。

しかし本番通過40分前、徐々に空が青くなり始めたと思ったら、見る間見る間、15分ほどでそれまでとうってかわっての快晴。春の優しい太陽の日差しが降り注ぎ始めた。先行の列車が行ってしばらくして、カーブの奥に雪煙濛々と青に金帯のDD51重連が銀色の客車たちを引き連れてやってきた。

カシオペアはデジタルのカットもあるのだが、個人的にデジタル以上にポジフィルムのカットがよかったのでここではポジカットのみの掲載としておく。

いつかこれら青い客車や青い機関車が人々の記憶と記録の中のみの存在となってしまうと思うと残念なものである。