ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.142 群青と深緑と

山陰本線迂回貨物からすでに1年以上が経つ。日本の東西の大動脈の一翼たる山陽本線が100日にもわたって不通であったのは、阪神淡路大震災の被災による不通期間74日を上回るものだ。そしてこの日数こそが、いかに深刻な被害を、かの豪雨が鉄道にもたらしたかを物語っている。

そして、山陽本線の不通により運転が設定された山陰本線迂回貨物も度重なる台風や悪天候などで運休が相次いだ。山陰本線とは名乗るものの、一部の特急列車走行区間を除けば今や実態は閑散ローカル線である。民営化後は列車本数の削減が相次いだこともあり、交換設備の撤去や駅の簡素化が進んでおり、線路容量や線形にしても大部分は本線とは名ばかりなのが実情だ。もっとも、そんな線区だからこそ風光明美な情景が数多く残っている。

山陰迂回貨物で多くの人が訪れたであろう三保三隈の日本海バックもそんな風光明美山陰本線の象徴たる撮影地だろう。

山陰迂回貨物も最終日となった9月28日、前日晩に関西から友人たちと車を転がし遥々三保三隅へと赴いた。この日の天気は秋の訪れを予感させるような抜き抜けるような青空が広がった快晴。遠く日本海上に残夏を感じさせる白雲が浮かび、日本海は少しばかり白波を立てていた。最終日とあって大勢のギャラリーで賑わう撮影地で主役の登場をまつ。気づけば九州方面からの友人たちも参戦し、即席同窓会と相成った。

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そんなこんなしているうちに通過時刻がやってきた。この日の牽引はDD51-1802。白波の音に混ざって老体の奏でるジョイント音と長いかすれた汽笛が響いてきた。群青に染まる海と夏の緑、それに三原色最後の一色添えるように赤い機関車が眼前をゆっくりと走り抜けて行った。