ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.111 冬光線

 山陽方面へのレール輸送は、大抵の場合、宮原区常駐の下関区所属EF65-1000が牽引するのだが、時たま宮原所属のDD51が牽引に充当されることがある。だが、山陽本線方面のレール輸送のダイヤは夜もしくは早朝に向日町に帰ってくるものが多く、日が長いうちしか撮れない。東海道本線を上って早朝に向日町に帰ってくるダイヤにはいくつかあり、5時00分着、5時55分着、6時06分着、7時12分着などがある。夏場であれば、5時台のダイヤでも十分撮影することができるのだが、冬至が近くなってくると当然ながら日の出、日の入りが早くなり日中の太陽高度もかなり低くなり、撮影できるものが限られてくる。この状況では、天気とDD51の運用とダイヤという3要素がきっちり合致しなければ、撮影できないわけで、なかなかに難易度が高い。

 そんな折、友人から11月28日に向日町7時12分着でDD51牽引の山陽方面ロングレール輸送の返却があるらしいとの報をもらった。この時期、日の出は既に6時後半なのでかなり厳しい条件に思えた。11月28日の京都の日の出時刻を調べると、6時43分。撮影できる場所といえば山崎駅界隈だが、夏に撮影したデータなどを見返していると通過は7時過ぎ、太陽高度を調べてみると当該時刻の高度は4度程度。なんとも厳しい露出条件だ。だが晴れならば期待はできる。

 当日は凍えるように寒かったが雲一つない快晴。始発1本あとの列車に乗って山崎駅へ向かった。駅で友人と落ち合い、定番のサントリーカーブ奥の撮影地へ。ついてみるとまだまだ線路は影の中。あと30分で影が抜けるのだろうかと心配しながら設営。しばらく待っていると先頭がくるであろう切り位置あたりはレールに日が差してきた。編成途中に落ちる影はもうあきらめるしかないが切り位置に光が当たったのはうれしい。サンダーバードや貨物が行った後はついに本番だ。

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 島本方面から2灯のライトを輝かせ赤い機関車が邁進してきた。前面2/3面にあたる赤い朝日、揺らめく排気、エンジンの咆哮、空荷のチキの軽いジョイント音。冬の朝に素晴らしい朝練ができた。