ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.105 ニーベルンゲンの宝

 ライン川の底にはニーベルンゲンの宝が沈んでいる、そんな伝説がドイツにある。ニーベルンゲンの宝とは、13世紀ごろにドイツで書かれた叙事詩ニーベルンゲンの歌』に登場するもので、勇者ジークフリートが小人のニーベルンゲン族を制服したときに得た財宝とされる。ニーベルンゲンの歌ジークフリートとその妻クリームヒルトを中心人物として引き起こされる復讐の悲劇なのだが、この作中で、クリームヒルトの復讐相手の一人であるハゲネは宝がクリームヒルトへ渡ることのないようライン川の底に沈めてしまい、その後も口を割らず討ち死にする。話はこのほかにも続いていくのだがここでは割愛する。

 さて、この『ニーベルンゲンの歌』を題材の一つとして後にかの有名なワーグナーが1869年に作曲した楽劇『ラインの黄金』、ドイツ語原題:Das Rheingold(ダス・ラインゴルト)がある。ラインゴルトという名前は、1928年に長距離列車の名前として採用されることになる。ラインゴルトはオランダのフーク・ファン・ホラントとスイスのバーゼルを結ぶ列車としてライン川に沿って運行されたことから、前述の楽劇にあやかって名付けられた。第二次世界大戦中の運行中断をはさみつつ、戦後はTEE(Trans Europ Express)列車に昇格するなどして1987年まで運行が続けられた。時代によって客車の塗装は2種類あり、1962年まではクリーム地に青の腰帯のミトローパ塗装が採用されており、1962年からはTEE標準のクリーム地に赤の腰帯の塗装になっていた。現在ドイツでは青、赤両方のラインゴルト客車が動態保存されており、不定期ながら保存運転が続けられている。

 西欧遠征中の去る2017年9月16日、ケルン鉄道友の会主催で青のラインゴルト編成が運転されるとのことでVSOE(Report No.104 走る舞台 - ぽっぽ屋備忘録)撮影の興奮醒めぬ中、スイスから国際列車に飛び乗ってドイツへ舞い戻った。この日は夜行ICEで夜を明かし、早朝の普通列車でWeinheim-Lützelsachsen駅に行き、駅近くの撮影地に陣を張った。友の会の広報サイトの情報によれば編成は10両編成で牽引機関車は、ラインゴルト塗装(厳密には私鉄売却機関車であるのでロゴなどが異なる)の110型383号機。天気は晴れ、あとは定刻で経路変更なく来ることを祈るのみである。

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 貨物などのバイパス路線であるので時たまやってくる長編成の貨物がかぶらないことを祈りながら通過を待った。光線がちょうど前面2/3ほどに回るようになった10時半過ぎ、快晴のもと、ラインゴルトがやってきた。保存車両と言えど良い状態に保たれており、現役時代顔負けの速度で駆け抜けていった。

 これでこの日の撮影は終わり・・・・と、当初は思っていたのだがこの後更なるネタが続くことになる。その話はまた後日としよう。