ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.94 土佐路

 およそ30年ぶりにサロンカーなにわが高知へ行く、そんなニュースが飛び込んできたのは2月の半ばだっただろうか。四国デスティネーションキャンペーンに合わせて5月13日から14日にかけて岡山~高知を1往復することが発表された。岡山から高知へとなると、経由するのは土讃線土讃線多度津から琴平までは比較的平坦な路線なのだが、琴平以南、特に讃岐財田~佃は猪ノ鼻峠を超えるため25‰の勾配が存在する山岳路線である。通常、車両側のブレーキ強化などをせず粘着運転を基本とする場合、本線上の勾配は35‰以下にしなければならないことを考えると、その約7割に相当する25‰の勾配はかなり険しいということがお分かりいただけるだろうか。

 そんな土讃線にサロンカーなにわが入線するとあって、「これはひょっとするとDE10の重連運転ではないか?」という考えが頭をよぎった。勾配を考慮せずとも、現在の土讃線は振り子車両2000系による特急南風が一日14往復最速120km/hで駆け抜ける特急街道であり、かつ全線単線のため、行き違いや追い抜きを考えるとダイヤは速達気味になるはずである。その意味でも重連運転は必要とされているのではないか、と、そんなことを考えていた。運転日直前に知人から重連運転だよ、との報を受け、2日ともの四国行は厳しいが往復片方だけでもと考えていた。するとさらに続報で、復路の多度津~岡山間はPFに瀬戸のヘッドマークをつけるとのこと。これは復路に行くしかないと友人たちを誘ってはるばる十数年ぶりに四国は高知へと赴いた。

 讃岐財田のカーブや塩入のカーブなども候補ではあったのだが、いかんせん有名撮影地だけにかなりの人出や場所取りがあると踏んで、高知県は土佐北川まで下った。現地に着いたのは朝の8時前頃。先客の方に挨拶をしつつ場所を見つけ、昼過ぎの通過を待った。

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 13時20分すぎ、撮影地の直前にあるトンネルの中からけたたましい轟音が聞こえてきた。続いてトラス鉄橋を車輪が叩く音。坂本龍馬とカツオをあしらった高知らしいヘッドマークを掲げてDE10重連に連れられサロンカーなにわがやってきた。