ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.83 南国

 日本からさほど遠くない南国・台湾。台湾は日清戦争の後、下関条約によって当時の清から大日本帝国へ割譲され、以後第2次世界大戦終戦の1945年まで日本の統治下にあった。日本統治下において、台湾では上下水道をはじめ、電気、道路、鉄道など様々な社会インフラの整備が行われた。現在台湾鉄路管理局がもつ鉄路の大部分が1067mmの日本の在来線と同じ規格で日本時代に敷設されたものである。そのうちの一つが八堵駅から蘇襖駅を結ぶ93.6kmの路線、宜蘭線である。宜蘭線は、東部幹線を構成する台湾東部の大動脈であり、数多くの優等列車、貨物列車が運行されている。貨物列車はコンテナ輸送から車扱貨物、セメント貨物、石灰石貨物など様々なものが運行されており、更にいえば、一部貨物列車には車掌車がつくほどで、さながら数十年前の日本のようである。

 そんな台湾の貨物列車は以前から気になってはいたのだが、時間がなくなかなか踏み出せずにいた。しかし、この3月、所用で台湾へ赴くことになったため、少しの合間をぬって貨物の撮影に出かけてみることにした。もちろん、事前に撮影地を調べる程度のことはしたのだが、貨物列車のダイヤについては全くと言っていいほど調べておらず、いわば「行って撮れたら儲けもの」程度の考えであった。

 向かった撮影地は宜蘭線 四脚亭~瑞芳のS字カーブ。台湾の貨物列車は、同じ列車であっても日によって編成長が大きく変動すると聞いていたので、それならば、長編成だと編成は巻くがキレイに収まるS字がいいではないかと向かったのだった。撮影地に着いたのは14時ごろ。ついて早々、石灰石貨物を見逃してしまいショックを受けた。その後、やってくるのは区間車と呼ばれるいわゆる普通電車ばかり。頭を抱えていると電気機関車がやってきたのだがどうも編成が短い。なんと、車掌車1両のみの回送。これではおさまりがつかないとそのまま撮影続行。そして14時40分ごろ、待ちに待った”ちゃんとした貨物”がやってきた。

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 オレンジ色の電気機関車、E300形に牽引されてやってきたのはセメント貨物。日本で言えば三岐鉄道などが輸送している類のものだ。轟音と共に過ぎ去っていく貨物列車。表記を見るとどことなく日本国鉄風の文字が使用されていた。異国でありながら日本のような不思議な雰囲気を纏った台湾の鉄道。次はぜひ腰を据えて撮影に出向きたいものだ。