ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.79 ニセコの思い出

 函館本線 長万部~小樽間、通称山線。かつてここはC62が牽引する「ニセコ」が走ることで有名だった。C62が引退して以降はC11がその後を引き継いで2014年まで「SLニセコ号」として運行していた。しかし牽引に用いられていたC11に新型ATSの設置が難しかったこと、JR北海道の財政難などから動輪の調子の悪かったC11-207が運用を離脱することになり、同時にSLニセコの運行も終了することになった。当時SLニセコの牽引に当たっていたのがこのC11-207。207号機は2灯式の前照灯、いわゆるカニ目が特徴的な罐である。

 SLニセコ最後の年、2014年夏、友人と共に渡道した際に、SLニセコを撮ることになった。SLニセコの撮影地としてまず外せないのが然別~銀山の首振りカーブだった。ここは、カーブまでが比較的長いストレートになっており、ちょうど羊蹄国道がオーバークロスする撮影地なので、ポジフィルムは広角で定番(Report No.39 黒鋼の記憶 - ぽっぽ屋備忘録

を、デジタルは超望遠で斜め上、正面からいただいてみることにした。

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 通過時刻、定刻で赤い盾型のヘッドマークを掲げてカニ目の機関車が濛々と黒煙を上げてやってきた。煙のおかげでちょうど後補機のDE10は隠れており、旧客の屋根だけが見える。超望遠の構図の中で徐々に機関車が大きくなってくる。いまだ!夢中でシャッターを切った。

 このときはもう207号機が走ることを見ることは今後できないものだと思っていた。が、現在このC11-207は東武鉄道に譲渡され、2017年夏から運行されるSL列車「大樹」の牽引に使用されることになっており、目下訓練が続けられている。そのうち、東武線に彼を見に行くのもいいかもしれない。