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ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.56 南国淑女

 国鉄特急を代表する顔として親しまれた485系だったが、今年に入って仙台支社のA1/A2編成が引退したことで原型顔が消滅し、残るはジョイフルトレインとして活躍する改造車たちのみとなった。

 485系は一時北は北海道から南は九州まで全国各地の電化路線と一部非電化路線で活躍したため、地域によってさまざまな形態のものが存在した。北海道仕様の1500番台などが有名どころであるが、九州仕様の485系も引けを取らず特異な形態であった。九州仕様の典型例ともいえたのが大分に所属していたDo32編成であった。小倉側先頭車クモハ485-5は中間電動車を先頭車化したもので通常と窓割り、およびドア位置などが異なっており、暖地のみを走るためシャッター式タイフォンカバーではなくスリット式タイフォンカバーを採用していた。他にも5両編成で運用されていた点や第2パンタが撤去されていた点など特筆すべきことの多い特徴的な編成であった。そしてDo32編成で忘れてはならないのは、先頭車側面部のJNRエンブレムであろう。Do32編成はもともと鹿児島に所属しておりKIRISHIMA EXPRESS塗装であったのだが、2010年8月に国鉄色に復刻され側面の国鉄エンブレムが復刻された。復刻後は鹿児島から大分へ転属、モハユニット2両を組み込み5両編成となって波動輸送で活躍を始めたのであった。

 臨時特急「にちりん」や宮崎での花火大会臨時などの波動輸送で活躍してきたDo32編成であったが、2015年10月18日、ついにラストランとして所属する大分車両所から小倉車両所へ廃車回送を兼ねたお別れ運転が行われた。このときは前日に宮崎までEF81-303が運用に入っていたこともあって一度宮崎まで友人たちと下っていたので、別府で宿を取り翌日Do32のラストランを日豊本線で撮影することにした。前日の夜は豊後豊岡~日出の撮影地に下見に行きすでに集まり始めたギャラリーの方々と場所の相談などをして一時撤収。そして18日早朝、硫黄の匂い漂う別府の街を後にし、撮影地へと向かった。通過までの間は同業の方々や友人たちと談笑し和気あいあいとセッティングを行い通過を待った。f:id:limited_exp:20160709170219j:plain

 雲一つない蒼穹のもと、485系の特徴的な警笛がこだました。踏切が鳴ったかと思うと横顔のJNRマークを朝日にキラリと輝かせながら特徴的な3灯ヘッドライトを光らせて南国の淑女は元気よく駆け上ってきた。最後の晴れ舞台とあって車体はなるべくきれいに磨かれ痛んだ塗装が少々手直しされていたのが印象的だった。

 実はこのとき少々トラブルもあり、友人には迷惑をかけてしまった。詳しくは触れないが今後に生かすべき反省点の一つであると自戒している。ちなみに、この遠征で宿泊した安宿は今にも屋根が抜けそうな半ば幽霊ホテルとでもいえるものであったのだが、どこか懐かしい雰囲気もあって、若き日の思い出として今では忘れられないものである。いささか乱文となってしまったが今回はここで筆を置くことにする。