ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.41 銀河鉄道の夜

 石北本線は旭川~網走を結ぶ”本線”である。本線と言えど、一日数往復特急がある程度でそれを除けば、非電化単線のいわゆるローカル線である。単線であるため、もちろん列車交換のために途中駅には交換設備が備わっているところがある。

 そのうちの一つに下白滝駅があった。”白滝”といえば上白滝、白滝、旧白滝、下白滝と4駅連続した”白滝シリーズ”だったのだが、2016年をもって上白滝、旧白滝が廃止され、下白滝も信号所へ格下げとなり、白滝シリーズの駅は白滝のみとなった。下白滝駅は、周りに何があるというわけでもなく、旧白滝などと比較しても民家はすくなく、格下げ前時点では普通列車すら通過扱いのものが存在する駅であった。

 このような寂しい駅ではあったのだが、列車交換設備を備えるためある列車の交換が行われていた。季節臨の石北臨貨とオホーツク7号である。石北臨貨は20時40分ごろに下白滝駅へ入線し、20時58分ごろ発車するというダイヤでその間にオホーツク7号が通過する。

 2014年、DD51最後のシーズンを記録しようと訪れた際、友人から「下白滝バルブは外せないよ!」と語気強く勧められたので氷点下の凍てつく夜のとばりの中、下白滝駅へ向かった。

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 この日は数日前からの寒波で天気が怪しく、日中も雪が降ったりやんだりを繰り返していた。おかげで駅についてみれば利用客のほどんどいないホームはほぼ雪原と化していた。しかし空を見上げてみれば、日中散見された雪雲はどこへやら。小さい千切れ雲があるのみで快晴に近い。東京や大阪では見られない、星降るような満天の空の星の輝きの元、DD51がエンジンを低くうならせていた。

 すぐさまセッティングして列車前方から撮影と行きたかったのだが、先客の方がホームにおり、構図を邪魔するわけにも行かずホームでの撮影となった。個人的にはそういった”苦い”思い出ではあるのだが、星瞬く銀河鉄道の夜という忘れられない思い出でもある。