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ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.40 青の旅

”あぁ、だから今夜だけは君を抱いていたい あぁ、明日の今頃は、僕は汽車の中・・・”

これは、1973年発表の財津和夫(チューリップ)の歌の一節である。当時日本は高度経済成長の末期、地方に恋人を残して夜行列車で上京する若者の気持ちを歌った曲として多くの人の共感を得た。これは航空機や高速バスと言った交通手段がまだまだ未発達であり、鉄道こそが長距離大量輸送の王者であったこの時代、上京といえば夜行列車であったからだ。1957年から運行開始した「彗星」を皮切りに「さくら」、「あさかぜ」、「富士」、「はやぶさ」、「はくつる」、「ゆうづる」などなど数多くの寝台特急が生まれ青い車体から「ブルートレイン」の愛称の元広く親しまれた。

寝台特急「あけぼの」もまた、そんな「ブルートレイン」の一族であった。1970年に奥羽本線経由の青森と上野を結ぶ寝台列車としてデビュー。同僚であった「はくつる」、「ゆうづる」が消えたあとも2015年1月まで青森上野間を走り続けていた。

2013年末に、「あけぼの」の2014年3月15日限りでの定期列車運行の終了が発表され、以降は臨時列車として運行されることになり編成も変更となった。定期廃止発表がされた廃止間際の3月、ちょうど石北本線を目指し北日本を北上していたので、青森での滞在中、青森駅で夜発車を待つ「あけぼの」を撮影することにした。f:id:limited_exp:20160622032437j:plain

この日は数日前に北日本に襲来した寒波の影響から時折小雪舞い散る様相であった。18時ごろ、DE10に従えられて青い24系客車と「あけぼの」のHMをつけたEF81がゆっくりとジョイント音ときしみ音をたてて青森駅3番線に入線してきた。ガチャンッという少し大きい音を立ててホームに停車するとまもなくDE10が切り離された。ホームの端には引退までの残り僅かな活躍を収めようとすでに人だかり。しばし跨線橋から撮影したのち人が空くのを待って、2番線端へ。車両所での待機中に雪化粧をしてきた夜汽車をフレームに収めた。