ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.32 夜花

かつては海峡線といえば、快速「海峡」をはじめとして、「はつかり」、「日本海、「北斗星」、「トワイライトエクスプレス」、「カシオペア」、「白鳥」、「はつかり」などなど数多くの優等列車が日夜闊歩していた。しかし、利用客減少や老朽化、北海道新幹線開業に伴ってこれら在来列車はすべて廃止されてしまった。長きにわたり北海道と本州を結んできた北の代名詞ともいえる「白鳥」の名が新幹線に引き継がれなかったのは非常に残念なのだが、「はまなす」もまた継承されなかった名前の一つである。

札幌~青森を結んできた急行「はまなす」は公募によってその名が決定された。ハマナスは北海道に多く自生するバラ科の花で、赤もしくは白の花をつける。北海道の道花にされているほどで、本州と北海道を結ぶ列車にはこれ以上なくぴったりな名前である。

さて、この急行「はまなす」だが、下り201レは青森を22時18分に発車し札幌に翌日6時7分に到着する。走行距離はおよそ500km弱といったところなのだが、所要時間おおよそ7時間半、表定速度にして70km/h弱と比較的遅い。これは実は、函館駅DD51ED79の付け替え、長時間停車するからである。201レは函館に0時44分に到着し1時23分に発車する。f:id:limited_exp:20160523041331j:plain

この停車の間、多くのファンはホームから撮影するのだが、ここは一味違った撮影をしようと友人と話し合った。ちょうど22時以降函館山が一般車で入山できるとのことだったので夜景観光がてら函館山から撮ることにした。500mmの超望遠で駅をのぞいてみると、特徴的な湾曲ホームに体を休める「はまなす」の姿があった。この日は前日にカシオペアの運転があったため、返却回送でED79重連で、なんとも運がよかった。札幌方にDD51が据え付けられたのを見計らって凍えるような夜風に吹かれながらシャッターを切った。