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ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.29 蒼い翼

当時の国鉄としては斬新なクリーム地に青の帯をまとい、世界初の本格的寝台電車として寝台特急『月光』で華々しくデビューし、昼夜を問わず日本中を縦横無尽に駆け巡った月光型、583系も残るは仙台所属のN1+N2編成6両のみとなった。

583系開発当時、国鉄では列車の増発によって車両基地容量が圧迫されており、「なるべく基地滞在時間の短い車両」を作らなければならなかった。昼は通常の特急、夜は寝台特急として運用することで、基地留置時間を減らせるうえ、昼行、夜行と車両を別々に製造せずして(つまり車両数を無駄に増やすことなく)列車を増発することを可能にしたのだった。そして電車化することによって最高速度の引き上げ、加減速性能の向上といった点まで可能とした。つまり理論上はほぼ最適解といえた583系だったが、昼夜兼用としたことで走行距離が長くなり、早期の老朽化を招いてしまい、廃車時期を早めてしまった。

また、全盛期を過ぎると進む老朽化から優等運用から外れ、国鉄末期の列車再編、電車型ダイヤへの転換などにより普通列車用として419系や715系などへ格下げ改造されたものも多く存在した。

 

そんな583系だが、ひさびさに天理臨で日中の東海道線を経由して京都へやってくると聞きつけ、2015年10月24日、友人につれられはるばる近江長岡まで出向いた。田畑の中のあぜ道には日中走行を一目拝もうとさながら戦後買い出し列車のごとき人だかり。あいにくの霞空で息吹山はご機嫌斜めのようだったので、編成写真に構図を切り替えて通過を待った。

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NikonF4s/AF Nikkor 80-200mm ED/Velvia50(+1)

貨物列車がギャラリーに挨拶するように軽く汽笛をポッとならし過ぎ去ってしばらくして、山々に特徴的なモーター音をこだまさせながら汽笛一声、蒼い翼をまとった583系がやってきた。車齢40年超とは思えぬ快走っぷりでかつて名古屋~熊本を結んだ「つばめ」運用につく姿を彷彿とさせるようだった。