ぽっぽ屋備忘録

にわかな鉄道好きによる日々の撮影の備忘録

Report No.4 衣浦臨海鉄道

衣浦臨海鉄道は、愛知県は碧南線と半田線の2路線を持つ臨海鉄道である。一度は廃止も騒がれたが、中部電力碧南火力発電所の設立によって発電所から出る石炭灰をセメントの原料として輸送するため、また発電所の排煙の脱硫のために用いられる炭酸カルシウムを輸送するために利用され、廃止を免れている。

さて、ここまでなら、廃線の危機から立ち直った臨海鉄道というだけであるが、時たま衣浦臨海鉄道は他ではないことが行われることがあり注目を集める。衣浦臨海鉄道は自社の機関車としてDE10の同型機KE65を4両保有しているが、運用および検査の都合上、時たま愛知機関区のDD51が代走を務めることがあるのだ。また、このようなイレギュラーに対応するため、乗務員訓練のため入線することもある。

前置きはここまでとして、時に2015年10月31日、石炭灰・炭酸カルシウム輸送25周年記念、および乗務員訓練と称してDD51が記念ヘッドマーク付き衣浦臨海鉄道に入線する運びとなった。

この情報が発表された際には仲間内でお祭り騒ぎとなり、はたまた東京に住んでいる友人までもが別件をはずしてくることとなった。

f:id:limited_exp:20160331010132j:plain

早朝4時ごろ現場についてみればすでに三脚の林と化していた。なんとか見つけた空間に滑り込ませていただき、通過を待った。あいにく当時の天気はそこまですぐれなかったが通過直前は薄雲となり若干露出は改善。そして汽笛を軽やかに切り抜きナンバーのDD51-852がヘッドマークを掲出しKE65とホキを引き連れてやってきた。

f:id:limited_exp:20160331010733j:plain

この後は撮影会が催されるということで碧南駅へ。作業員の方から、入れ替えを一時中断する約5分ほどのその間が撮影会ですと教えていただき、しばし入れ替えを見守った。

そして入れ替えが中断すると作業員の方の案内のもと、現場にいた皆が一斉に操車場に入りカメラの砲列を構え思い思いにシャッター切っていた。てっきり入れ替えの合間であるのでヘッドライトは落とされ入れ替え灯であると思っていれば、ご好意かヘッドライトを点灯していただき感無量であった。

生きている車両にここまで近く寄って撮影する機会をいただけることに企画していただいた関係者の方々には頭が下がる思いであった。碧南駅では衣浦臨海の四季折々の風景の写真を配したカレンダーの販売がされており、数量限定とのことであったので購入させていただいた。

この後碧南線内でDD51のハンドル訓練、ホキ貨物が運行され、半田線でも運用されたそうだ。私はというと、このとき同様のヘッドマーク三岐鉄道でも掲出されていたことから友人とともにそちらへ転戦した。これについてはまたの機会に執筆したいと思う。